恋愛狂想曲



アタシの行きたい音大が、東京にあって。


でも、秀が行きたい大学は、地元で。


ずっとずっと、迷ってた。

暗いトンネルから、ずっとずっと出られなかった。


アタシの、

したいことを選ぶか、

大好きな人を選ぶか。


アタシは我が儘で、いつも、


「両方がいい。」


って答えに行き着く。


ただ、志望校は、変えなかった。

手が、動いてくれなかった。


秀にも、アタシが東京の音大に行きたいことを知られて。


怖かった。

終わってしまいそうで。


秀は、アタシの目を真っ直ぐ見ながら。


「やりたいことやれ。俺は、ピアノ弾いてる心優に惚れたから。」


スッゴく真っ直ぐで。

迷いなんて、感じなくて。


「俺らがだめになるわけないじゃん。だめにしないよ。」


そんな言葉が力強くて。

そんな秀がいてくれて。


アタシは、なんだかすっきりして、東京の音大に行くことにした。


秀は、いつだって背中を押してくれて。

アタシをいつも、勇気づけてくれた。


そんな秀の笑顔が大好きで。

そんな秀の腕の中が大好きで。

そんな秀の瞳が大好きで。

そんな秀が大好きなんだ。



< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop