恋愛狂想曲
アタシの行きたい音大が、東京にあって。
でも、秀が行きたい大学は、地元で。
ずっとずっと、迷ってた。
暗いトンネルから、ずっとずっと出られなかった。
アタシの、
したいことを選ぶか、
大好きな人を選ぶか。
アタシは我が儘で、いつも、
「両方がいい。」
って答えに行き着く。
ただ、志望校は、変えなかった。
手が、動いてくれなかった。
秀にも、アタシが東京の音大に行きたいことを知られて。
怖かった。
終わってしまいそうで。
秀は、アタシの目を真っ直ぐ見ながら。
「やりたいことやれ。俺は、ピアノ弾いてる心優に惚れたから。」
スッゴく真っ直ぐで。
迷いなんて、感じなくて。
「俺らがだめになるわけないじゃん。だめにしないよ。」
そんな言葉が力強くて。
そんな秀がいてくれて。
アタシは、なんだかすっきりして、東京の音大に行くことにした。
秀は、いつだって背中を押してくれて。
アタシをいつも、勇気づけてくれた。
そんな秀の笑顔が大好きで。
そんな秀の腕の中が大好きで。
そんな秀の瞳が大好きで。
そんな秀が大好きなんだ。