初恋に捧げる私の恋の歌
「キッツ。愛生体力ありすぎじゃね?」



「ふふーん、そうですか?」



「あぁ、凄いよ」



「ふふ、ありがとうございます。」



ポケットに入れていた携帯が振動する。



「はい、もしもし。」



「もしもし。」



知らない声。



「だれ、」



「愛生か?」



「本当に誰。」



「父さんだ」



「え、」



「愛生。」



ピッと電話を切る。



「ん?どうした?」



先輩の声が聞こえるが頭に入ってこない。



ピリリリリ



っ、あ、携帯か、



電話を告げるコールがなる。



「もしもし」



「っ、あ、せん、ぱい」



「おう。」



楽しそうな先輩の声。



すぐそこに居るのに。



「本日、帰りたくないなら家にどうぞ
一泊三食付きで料金は笑顔。

どう?格安だろ?」



せん、ぱい



「はい、何泊か、お願いします。」



「ふ、承りました。」



先輩の声に、救われる。



大荒れだった心の中が沈んでいくのがわかる。



< 24 / 36 >

この作品をシェア

pagetop