初恋に捧げる私の恋の歌
「それからねぇ〜
「こら!橘!授業は始まっとるぞ!
さっさと教室戻らんか!」




「えーいつもは怒んないのにぃー!」





「それはお前が教室にしっかりおるからだ!
教室ぐらい自分のところに行け!」




「はぁーい。バイバイ!またね!」




そう言いながら
柚莉先輩は自分の教室に帰っていった。




どうやらチャイムが鳴っていたようだ。




たまに話しながら残り2時間の授業を受ける。




キーンコーンカーンコーン




6時間目終了のチャイムが鳴って
みんなそれぞれ動き出す。



「おわったぁ〜!
あぁ、楽しみだなぁ、溜まり場!」




「FULLMOONの人は来ないんでしょ?」




「うん!それでも楽しみなの!
憧れてたFULLMOONの人たちの傘下に
会えるだけでも嬉しいよ!」




本当楽しそうに笑う凛香は恋い焦がれる乙女のようだ。




「頑張ってね」



「うん!」




「娘達よ!迎えに来たぞ!」




スパァーンと音を立てて教室の扉が開かれる。





言わずとも分かるだろう柚莉先輩だ。






私達は全員で帰る支度をして
柚莉先輩の元へ行く。



「FULLMOONの切り込み役の人に
会えるといいね」




「ん?なんで?」




「今日来るんでしょ、その人」




「そうだった!わぁ〜!!どうしよ!
ちゃんとおしゃれしないと!」




凛香がカバンから鏡を出してバタバタとする。




「大丈夫だよ凛香。
そのまんまでも十分可愛いから」




「ほ、本当?」




「うん、可愛いよ」




「ありがと!」




わーい!といって抱きついてくる凛香を
抱きしめ返す。


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