自殺カタログ
「芽衣、こんなところでボーっとしてたら授業遅刻しちゃうよ?」


アンミがあたしの頭をグリグリと乱暴に撫でてそう言い、高らかな笑い声を上げた。


それに続けて百花と月乃も笑い声を上げる。


3人が更衣室を出る寸前で、あたしはようやく声を上げていた。


「やめて! 写真を消して!!」


すがるような思いでアンミを見上げてそう言った。


3人に向かってここまで大きな声を上げたのは、初めてかもしれない。


アンミは浮かべていた笑顔を消して、あたしを見おろした。


「はぁ? 消すワケないじゃん、なんのために撮ったと思ってんの?」


冷たい言葉に全身が凍り付く。


その写真を使って何をする気だ。


その気持ちが顔に出ていたのか、アンミがあたしを睨みつけてきた。


「これから先は今までみたいに温いやり方しないから。覚悟しとけよ」


アンミはそう言うと2人のシモベと一緒に更衣室を出て行ったのだった。
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