自殺カタログ
「キスしろよ!!」


アンミが拍手しながらそう言った。


「いいね! 好きならキスしろ!」


「キース! キース! キース!」


3人を中心としてクラス中にキスコールが沸き起こる。


さすがにここまでは予想していなかったのでたじろいた。


どうする?


こんな所で晃紀に初めてのキスを奪われるなんて最低だ。


できっこない。


だけどやらなかったら距離を近づけることが困難になる。


どうする?


背中に冷や汗が流れて行く。


視界の端に理央の姿が見えた。


理央はジッとこちらを見ている。


その顔は笑っていない。


すごく真剣な表情をしている。


ここで失敗するワケにはいかないんだという気持ちが湧いて来た。


あたしはこいつら全員を自殺させる気でいる。


それならキスくらいさせてやれ。


理央ならきっとそう言うんじゃないかな?


そう思った。
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