自殺カタログ
「……わかった」


あたしは小さな声でそう言った。


「本当か!?」


登と涼太の表情がパッと明るくなる。


こいつらは自分が最下位まで落ちないように、黙ってあたしがイジメられるのを見ていたんだ。


何もかも知っていながら、取り繕っていたんだ。


その怒りは自分の中でふつふつとわきあがって来るのを感じる。


挙句の果てには自分たちの身を守るために晃紀と別れろと来た。


ちゃんちゃらおかしくて笑えてくる。


「晃紀と別れてあげるから、そのかわり明日サインしてほしい」


「サイン……?」


2人の表情が同時に曇る。


2人一緒じゃないとトイレにも行けないような、気弱な奴ら目。


「大丈夫だよ、変な商売とかじゃないから」


あたしはそう言うと、2人に背を向けて歩き出したのだった。
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