自殺カタログ
そう言い、スマホに登録されている晃紀のアドレスを表示させた。


アンミたちが教室に居ない間、こっそり教えてくれたのだ。


「それならやっぱり本当の告白だね。よかった、これで芽衣には味方ができたんだ」


理央に言われてあたしは照れながら頷いた。


恥ずかしいけれど、初めての彼氏だってできたんだ。


こんな状況でもそれが嬉しかった。


「それで、登と涼太の事なんだけど」


あたしはひとつ咳払いをして話題を元に戻した。


「あぁ、そうだったよね。なんて返事をしたの?」


「望みを聞いてあげる。その代わりにサインをしてほしいって伝えたの」


自信満々にそう言うと、理央は目を丸くしてあたしを見た。
< 109 / 311 >

この作品をシェア

pagetop