自殺カタログ
☆☆☆

教室へ戻るとすでに晃紀が来ていた。


あたしの姿を見つけて少し照れくさそうに頬を赤らめる。


「おはよう」


あたしはぎこちなくほほ笑みながら晃紀に近づいた。


「おはよう」


晃紀もどこかぎこちない雰囲気だ。


自分と晃紀がこんな風に意識して会話をするようになるなんて、思ってもみなかった。


「なにか話があるんだろ？」


そう言われて、あたしは頷いた。


「晃紀に使ってほしいものがあるの」


あたしはそう言いながら晃紀にカタログを見せた。


晃紀はすぐにアンミの好きなブランドのカタログだと気が付いたようだ。


「俺は男だからこんな服着ないぞ？」


「晃紀に注文してほしいんじゃなくて、これをアンミにあげる事で晃紀の汚名返上になるんじゃないかと思って」


あたしがそう言うと、晃紀はしかめっ面を浮かべた。
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