自殺カタログ
あたしは声を上げて笑い出したいのをこらえて、教室を出た。


その後を理央が追いかけて来る。


傍からみれば吐きそうになっているあたしと、それを心配しておいかける理央という姿に移った事だろう。


その証拠に、誰も追いかけてはこなかった。


あたしは一番遠くの女子トイレに入り、更に一番奥の個室に入った。


理央が同じように身を滑り込ませ、鍵をかける。


同時に笑いが込み上げて来た。


2人して盛大に笑う。


こんなにおかしかったことは初めてかもしれない。


切り取ったハガキでも使えることがわかった。


こえならあらゆる手段を使ってアンミたちにサインを書かせることができるのだ。


『自殺カタログ』のハガキはまだまだ、嫌というほど沢山ある。


ひとしきり笑った後、あたしと理央は抱き合って喜んだ。


けられたわき腹が痛んだけれど気にもならない。

これですべてから解放される。


そう思うと、まるで天国を見つけたような気分になったのだった。
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