自殺カタログ
休憩時間
光の家が火事だというのは本当だったようで、1時間目は自習になった。
担任の先生は病院へ向かっているようだ。
自習と言っても配られたプリントを真面目にやっている生徒なんてほとんどいない。
あたし自身、アンミたちの会話に耳をそばだてていた。
さすがに仲間の家が火事という事でいつもより大人しくしているが、さざ波のような話し声は聞こえて来る。
「光のやつ、タバコの不始末かな」
アンミの声。
「あ~、前も言ってたよね。寝ながらタバコ吸って布団に穴が空いたって」
月乃が答える。
「火事の原因が光ってやばくない? 家の人も被害にあってるんでしょ?」
これは百花の声だ。
「知らない。あいつの家がどうなろうと、あたしの知った事じゃないし」
アンミは仲間の事でもこんなにもアッサリ切り捨ててしまうのだ。
その潔さは羨ましくなるくらいだ。
そのまま1時間目の自習は終わり、あたしはプリントを提出した。
一応少しは埋めておいた。
「先生まだ戻ってきてないみたいだね」
理央があたしの机に近づいてきてそう言った。
「そうなんだ?」
「うん」
理央は頷く。
病院でどんな事態になっているかおおよそ予想はつく。
学校に帰れなくて当然だろう。
「だけど次の授業は担任の科目じゃないから、関係ないね。残念」
あたしがそう言うと、理央は軽く笑った。
担任の先生は病院へ向かっているようだ。
自習と言っても配られたプリントを真面目にやっている生徒なんてほとんどいない。
あたし自身、アンミたちの会話に耳をそばだてていた。
さすがに仲間の家が火事という事でいつもより大人しくしているが、さざ波のような話し声は聞こえて来る。
「光のやつ、タバコの不始末かな」
アンミの声。
「あ~、前も言ってたよね。寝ながらタバコ吸って布団に穴が空いたって」
月乃が答える。
「火事の原因が光ってやばくない? 家の人も被害にあってるんでしょ?」
これは百花の声だ。
「知らない。あいつの家がどうなろうと、あたしの知った事じゃないし」
アンミは仲間の事でもこんなにもアッサリ切り捨ててしまうのだ。
その潔さは羨ましくなるくらいだ。
そのまま1時間目の自習は終わり、あたしはプリントを提出した。
一応少しは埋めておいた。
「先生まだ戻ってきてないみたいだね」
理央があたしの机に近づいてきてそう言った。
「そうなんだ?」
「うん」
理央は頷く。
病院でどんな事態になっているかおおよそ予想はつく。
学校に帰れなくて当然だろう。
「だけど次の授業は担任の科目じゃないから、関係ないね。残念」
あたしがそう言うと、理央は軽く笑った。