自殺カタログ
☆☆☆
人に聞かれたくない会話をするときは、やっぱり校舎裏しかなかった。
龍輝と月乃という見慣れないツーショットの後をこっそり追い掛けていると、そこにたどり着いた。
影からそっと様子を見ると、月乃はキョロキョロと周囲を見回し、龍輝はすぐにタバコを取り出して火をつけた。
「お前さ、アンミの立場を狙ってんだってな」
龍輝がそう言う。
誰に対しても威圧的な態度に出る龍輝の声は、低くて深くて、そして冷たい。
なんでもない会話をしている時も、その声は変わらなかった。
「そ、それは全部嘘だってば!!」
龍輝にも信じてもらえていないことがわかった月乃は青ざめている。
あのデマが原因でここまで連れて来られたのだと、ようやく理解したようだ。
「別に、俺は怒ってなんかねぇよ」
そう言い、龍輝は紫色の煙を吐き出した。
その声には抑揚がなく、本当に怒っていないのかどうかわからない。
人に聞かれたくない会話をするときは、やっぱり校舎裏しかなかった。
龍輝と月乃という見慣れないツーショットの後をこっそり追い掛けていると、そこにたどり着いた。
影からそっと様子を見ると、月乃はキョロキョロと周囲を見回し、龍輝はすぐにタバコを取り出して火をつけた。
「お前さ、アンミの立場を狙ってんだってな」
龍輝がそう言う。
誰に対しても威圧的な態度に出る龍輝の声は、低くて深くて、そして冷たい。
なんでもない会話をしている時も、その声は変わらなかった。
「そ、それは全部嘘だってば!!」
龍輝にも信じてもらえていないことがわかった月乃は青ざめている。
あのデマが原因でここまで連れて来られたのだと、ようやく理解したようだ。
「別に、俺は怒ってなんかねぇよ」
そう言い、龍輝は紫色の煙を吐き出した。
その声には抑揚がなく、本当に怒っていないのかどうかわからない。