自殺カタログ
☆☆☆
強い風が吹いてあたしのスカートを揺らした。
あたしは片手でスカートを押さえた。
もう片方の手には『自殺カタログ』が握られている。
男はどこに消えたのだろうか?
結局あたしは今フェンスのこちら側にいて、飛び降りる事ができなかった。
もしかしたら男はあたしを止めてくれたんじゃないだろうか?
そんな気がしてきた。
「芽衣!?」
そんな声が聞こえてくると同時に屋上へ続くドアが大きく開かれた。
「理央?」
同じ制服に身を包んだ2年3組の二ノ宮理央(ニノミヤ リオ)が慌てた表情でそこに立っていた。
「芽衣、ここにいたんだ……!!」
あたしを見つけた瞬間ホッとした表情を浮かべ、駆け寄って来る。
理央はクラスカースト下位者で、アンミたちのからかいの的になっていた。
と言っても、あたしよりも上であることに変わりはない。
「理央、なんでここに?」
「放課後になってから芽衣の姿が見つからなかったから、ずっと探してたんだよ?」
その言葉は嘘ではないのだろう。
理央の額には汗の粒が沢山浮かんでいた。
「なんで?」
「なんでって、そんなの心配したからに決まってんじゃん」
理央が少し怒ったようにそう言った。
心配?
あたしの事が?
今朝階段から転げ落ちたあたしを見て見ぬふりしていたクラスメートたちを思い出していた。
あんな中にも、まだあたしを心配してくれている子がいたと言う事だ。
全然気が付かなかった。
強い風が吹いてあたしのスカートを揺らした。
あたしは片手でスカートを押さえた。
もう片方の手には『自殺カタログ』が握られている。
男はどこに消えたのだろうか?
結局あたしは今フェンスのこちら側にいて、飛び降りる事ができなかった。
もしかしたら男はあたしを止めてくれたんじゃないだろうか?
そんな気がしてきた。
「芽衣!?」
そんな声が聞こえてくると同時に屋上へ続くドアが大きく開かれた。
「理央?」
同じ制服に身を包んだ2年3組の二ノ宮理央(ニノミヤ リオ)が慌てた表情でそこに立っていた。
「芽衣、ここにいたんだ……!!」
あたしを見つけた瞬間ホッとした表情を浮かべ、駆け寄って来る。
理央はクラスカースト下位者で、アンミたちのからかいの的になっていた。
と言っても、あたしよりも上であることに変わりはない。
「理央、なんでここに?」
「放課後になってから芽衣の姿が見つからなかったから、ずっと探してたんだよ?」
その言葉は嘘ではないのだろう。
理央の額には汗の粒が沢山浮かんでいた。
「なんで?」
「なんでって、そんなの心配したからに決まってんじゃん」
理央が少し怒ったようにそう言った。
心配?
あたしの事が?
今朝階段から転げ落ちたあたしを見て見ぬふりしていたクラスメートたちを思い出していた。
あんな中にも、まだあたしを心配してくれている子がいたと言う事だ。
全然気が付かなかった。