自殺カタログ
☆☆☆

タバコを吸っている晃紀を残し、あたしは1人で教室へ戻ってきていた。


あまり長時間呼び出されたままだと、理央が心配してしまうからだ。


教室へ入った瞬間、笑い声が聞こえてきてあたしはその場で立ちどまった。


アンミ達の笑い声かと思ったが、違った。


その笑い声がする方へ視線を巡らせると、月乃がいたのだ。


月乃は教卓の上に上って踊りながら笑っている。


周囲を見てもアンミたちの姿はなく、強制的にやらされているわけではなさそうだ。


それなのに笑い続けている月乃は少し異常で、クラスメートたちは見て見ぬふりを決め込んでいる。


「芽衣!」


あたしに気が付いた理央が駆け寄って来る。


「理央、あれは一体なに?」


あたしは月乃を指さしてそう言った。


「これよ、これ」


そう言って理央が見せてくれたのは月乃に渡したハガキだった。


そこにはアンミの名前と龍輝の名前が書かれていたのだ。


「うそ、本当に!?」


思わず大きな声が出てしまって、慌てて手で口を塞いだ。
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