自殺カタログ
昨日晃紀があたしを助けたことで、2人の悪事は晃紀にバレてしまった。


だからあたしの存在までも恐れているのだ。


それはとても心地いいことだった。


あたしがジュースを買ってきて。


と頼めば、あの2人は断る事はできないのだ。


まるでアンミと同じ立場になっているような感覚を抱く。


だけどあたしはアンミほど愚かではない。


ジュースくらい自分で買いに行ける。


そう思い、2人から視線を外して自分の席に座った。


「いつ頃ハガキを使う予定?」


2人に聞こえないように理央がそう聞いて来た。


「なにか、いいタイミングがあればその時に使う」


そうあたしは返事をした。


そのタイミングがいつなのか、まだあたしにもわからない。


だけどきっとあるはずだ、そのタイミングが。
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