自殺カタログ
季節限定で売り出され、人気がありすぎて今じゃなかなか手に入らなくなった商品。


「え、いいの?」


「あぁ。昨日兄貴が大量に買って来たんだ」


そう言い、晃紀が理央の分まであたしの手に乗せて来た。


小さな四角いチョコレートが手のひらに収まる。


「晃紀って、お兄ちゃんがいたんだ?」


「あぁ、大学生なんだ。お菓子同好会っていう変なサークルに入ってて、珍しいお菓子を買って研究をしてるんだ」


「へぇ! お菓子同好会だって!」


あたしは目を輝かせて理央を見た。


理央はあまり興味がないのか、少し肩をすくめて見せただけだった。
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