自殺カタログ
裏切り
1時間ほど経過すると、ようやく担任の先生が教室へ入って来た。


その顔は青ざめていて、教卓の前に立っても何も話さない。


この前光が亡くなったばかりなのに、今度は月乃が亡くなってしまったからだ。


しかも今回は自殺の可能性が高いと来ている。


先生の精神状態はかなりすり減っているようだ。


「なぁ……頼む。このクラスで何が起きているんだ?」


ようやく口を開いたかと思うと、唐突にそんな事を聞いて来た。


誰も返事はできなかった。


「何も知らないのは、先生だけなのか?」


その質問をする時、先生はあたしを見た。


あたしがイジメを受けている事は先生も認識していたのだ。


だからこそあたしの写真は消す事に成功した。


「先生何言ってんのぉ? あたしたちも早く帰りたいんだけど!」


アンミがふくれっ面でそう言った。


「お前らはまだダメだ。これから警察の人が来て、1人ずつ話を聞きたいと言っている」


先生の言葉に教室内がざわめいた。


警察と話をするという事に敏感に反応している。
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