自殺カタログ
☆☆☆

それから教室内は騒然としていた。


自分たちのクラスだけ警察と話をしなければいけない。


この異常事態に誰もが落ち着かない様子だった。


でも……百花は違った。


百花はさっきか1人で席に座り、ジッと机の木目を見つめているのだ。


いつもはアンミたちと一緒になって騒いでいるのに、明らかに様子がおかしかった。


それはつい数十分前、アンミがスマホをいじりだした頃からだった。


「アンミがなにかしたね」


理央が小さな声でそう言った。


「そうだね」


あたしは頷く。


アンミが百花になにかを仕掛けたのは明らかだった。


ただ、それが何かがわからない。


百花は青ざめたままピクリとも動かないし、アンミも百花に話かけようとしない。


きっと、メールやメッセージのやり取りでなにかをしたのだろう。


あたしたちの計画まで支障が出なければいいけれど……。


あたしは少しだけ不安を感じたのだった。
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