自殺カタログ
☆☆☆

それからあたしたちは1人ずつ会議室に呼ばれて警察に話を聞く事になった。


あたしが考えていた通り、プールで月乃が死んでいた。


家には遺書が残されていたようで自殺だと断定された。


ただその遺書にはイジメがあったとは書かれていなかった。


写真を持っているアンミたちを敵に回すのが怖かったのか、自殺することへの謝罪文しか書かれていなかったそうだ。


だから生徒たちに話を聞く必要があったそうだ。


あたしは自分がイジメられていた時のことを包み隠さず説明した。


月乃が加害者だったことも、昨日からあたしへのイジメが亡くなった事も話した。


ただ、月乃がイジメられていたことに関しては『知らない』と、返事をしていた。


現に、月乃へのイジメの大半が人目のない場所で行われていたのだ。


クラスメートたちも『知らない』と答えたに決まっている。


教室へ戻るとあたしは理央と目配せをした。


理央もあたしと同じような事を伝えていたはずだ。


月乃のイジメに関しては『知らない』と。


警察から話を終えると、後は自習時間だった。


だけど先生もいない教室の中で勉強をする生徒はいない。
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