自殺カタログ
証拠になるようなものを発見するため、スマホを確認させられた可能性もある。


だからアンミはイジメのデータを龍輝と百花に送り付けたんだ。


自分のスマホからは写真を消去しておけばいい。


百花が青ざめていた原因がようやくわかった。


警察に呼ばれる前に月乃をイジメているシーンを写真を送り付けられれば、誰だって青ざめるはずだ。


アンミは龍輝と百花を警察に売ったのだ。


それを知った龍輝は今まさに逆上して顔を真っ赤にしている。


「りゅ……龍輝、今はまずいよ」


そう言ったのは百花だった。


アンミに同じように裏切られたためか、百花が龍輝を止めに入った。


「月乃のことがあったばかりだし、ここでモメたらあたしたちの立場は余計に悪くなるよ」


百花は早口でそう言った。


龍輝はチラリとアンミを睨むと、怒りを抑え込むようにして自分の席についたのだった。
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