自殺カタログ
もちろんこれは龍輝の仕業だった。


龍輝は登校してきたアンミを平手で殴りつけた。


アンミに何も言う隙も与えず、次から次へと罵声を浴びせかける。


しかし龍輝は手を出したのはそれきりだった。


あとは全部百花と登と涼太の3人がやったのだ。


龍輝は自分の拳が人を殺すかもしれないと理解しているのだろう、本気で暴力をふるう事はなかった。


そして登と涼太は完全に崩壊したクラスカーストを見て、龍輝側についたのだ。


ほとんど最下位だった2人が突然上位に来れたのは百花がいたからだった。


2人は影で百花に取り入り、百花の機嫌を取っていたのだ。


そして今回の出来事があり、ついに龍輝に近づく事が許されたのだ。


2人の腹黒さに呆れながらも、アンミがイジメられている様子は見物だった。


「ねぇ龍輝、この後アンミはどうするの?」


百花が甘ったるい声で言う。


龍輝の彼女の座を狙っているのがバレバレだ。


「お前らの好きにしとけ」


龍輝は興味を失ったように雑誌に視線を落としている。
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