自殺カタログ
クラスメートからの視線を感じる。


どうしてアンミに手を貸すんだと、誰も言わないけれど声が聞こえて来る。


あたしはその視線を無視して、アンミと2人でトイレに向かった。


別にアンミを助けるつもりなんてない。


あたしはアンミと2人になる時間がほしかっただけだ。


「ここにはないね」


トイレの中を確認しても机と椅子はなかった。


だけど、トイレはここだけじゃない。


きっと別の場所にあるのだろう。


アンミは時々あたしに視線を向けながら、机と椅子を探した。


あんなに大きな物はそう簡単には隠せない。


3組から遠い場所にあるトイレに入ると、案の定アンミの机と椅子があった。
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