自殺カタログ
これだ……!


あたしはその説明書きを読んでニヤリと笑う。


これこそアンミの死に方に最も相応しい。


アンミの顔がドロドロに溶けて消えて行く様子を想像すると、それだけで笑えてきた。


あたしは『硫酸自殺』を選んでハガキに番号を書き込んだ。


これで準備は整った。


あとはアンミを殺したいタイミングでポストに入れておくだけだ。


そう思った時だった。


チャイムが鳴る音が聞こえてきて、あたしは『自殺カタログ』とハガキを机の引き出しにしまった。


「はい、どちら様?」


お母さんのそんな声が聞こえてきて、ドアが開く音が聞こえる。


時刻は夜の5時だ。


新聞の集金かなにかだろう。


そう思っていたが、


「ちょっと、あなた誰?」


「うるさい! どけろよおばさん!」


そんな声が聞こえてきてあたしは部屋を出た。


今の声、聞き覚えのある声だった。
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