自殺カタログ
だけど近くにはコンビニがある。


異変に気がついた人たちがすぐに駆けつけて来た。


「死ね!!」


アンミの声が聞こえる。


あたしの目前までナイフが迫る。


その瞬間……かけつけた男性の手がアンミに伸びた。


止めようとしたその手はアンミの体を突き飛ばすような形になる。


あっという暇だってなかった。


アンミは階段から足を踏み外し、空中に投げ出された。


ナイフがカランッと音を立てて落ちるのと、アンミが石段を転げ落ちていくのは、同時だった。
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