自殺カタログ
しかし百花はそれに気が付かずにサインをしていく。


わざと丸っこく描いたぶりっ子な文字が並んでいき、思わず顔がにやけていく。


「はい、書けたよ」


「ありがと」


あたしはノートを百花から奪い取った。


やった!


これで全員分の名前がそろった!!


今にも踊り出してしまいたくなるような気分だった。


あたしは自分の席に戻る前に振り向いた。


一瞬百花があたしを睨みつけているのが見えた。


けれどあたしが振り向いたことですぐに笑顔に戻った。


まぁ、どうでもいいけれど。


「図書委員の活動、ちゃんと自分でやれよ」


あたしは百花にそう命令すると、自分の席に戻ったのだった。
< 224 / 311 >

この作品をシェア

pagetop