自殺カタログ
退院
あたしがクラスカーストを登りつめて2週間後、担任からアンミの退院が聞かされた。


明日から登校してくる予定だそうだ。


その話を聞いた放課後、あたしは理央とファミレスに来ていた。


「ついに戻って来るね」


理央がオレンジジュースをひと口飲んでそう言った。


「うん」


あたしは頷く。


あたしの前にはアイスティーがある。


グラスについている水滴を指先で拭った。


「どうする?」


その質問に、あたしはニヤリと笑った。


「学校でイジメられている様子をまだ見ていたいと思ったけれど……それも飽きたよね」


アンミがトイレで土下座をしている動画だけで、もう十分だった。


アンミはもう用無しだ。


「それなら、実行しよう」


理央が感情のない声で言った。


「うん」


あたしは頷き、よく冷えたアイスティーをひと口飲んだのだった。
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