自殺カタログ
少し緊張しているけれど、思っていたよりもずっと落ち着いている自分がいた。
このハガキをポストに入れれば、明日にはアンミは死ぬ。
今まであたしをイジメていた人間が確実に死ぬ。
それも、ものすごく苦しんで死ぬ。
その現実はなんとなくモヤがかかったようにあやふやな感覚だった。
スマホに視線を移動させる。
12時50分。
あたしは小さく息を吐き出す。
これまでアンミにやられてきたイジメがどんどん蘇って来る。
トイレで土下座をさせられた後、あたしはトイレの掃除道具入れに閉じ込められたんだっけ。
アンモニアの匂いで鼻が曲がってしまいそうだったことを覚えている。
足元には汚れたモップと、青いバケツ。
トイレが詰まった時に使う道具などが置いてあった。
普段掃除をしている時にだってそんなものをマジマジと見たりはしなかったけれど、あの時は真剣に凝視していた。
なにか外に出るために使えるものがないか。
そう思って探していたのだ。
結局目ぼしいものは何もなくて、あたしは放課後の掃除時間が始まるまで閉じ込められたままだった。
このハガキをポストに入れれば、明日にはアンミは死ぬ。
今まであたしをイジメていた人間が確実に死ぬ。
それも、ものすごく苦しんで死ぬ。
その現実はなんとなくモヤがかかったようにあやふやな感覚だった。
スマホに視線を移動させる。
12時50分。
あたしは小さく息を吐き出す。
これまでアンミにやられてきたイジメがどんどん蘇って来る。
トイレで土下座をさせられた後、あたしはトイレの掃除道具入れに閉じ込められたんだっけ。
アンモニアの匂いで鼻が曲がってしまいそうだったことを覚えている。
足元には汚れたモップと、青いバケツ。
トイレが詰まった時に使う道具などが置いてあった。
普段掃除をしている時にだってそんなものをマジマジと見たりはしなかったけれど、あの時は真剣に凝視していた。
なにか外に出るために使えるものがないか。
そう思って探していたのだ。
結局目ぼしいものは何もなくて、あたしは放課後の掃除時間が始まるまで閉じ込められたままだった。