自殺カタログ
家にいるのはあたし1人。


お父さんが再婚してから、それが当たり前の生活になってしまった。


洗濯物を終わらせてお風呂を洗い、晩ご飯を作る。


そうこうしている間に外はもう真っ暗だ。


今日は課題が出ていないからいいけれど、課題が出ている時は時間がなくて大変だ。


あたしはしばらくの間お父さんが戻って来るのを待っていたが、時計の針が8時を回った頃1人で夕食を食べ始めた。


お父さんは何時に帰って来るかわからないし、どこへ行っているのかもわからない。


だから、夜8時まで待って戻ってこなければ1人で食べることにしているのだ。


あたしはテレビを見ながら黙々とご飯を食べると、お風呂にも入ってすべてを終わらせた。


後は眠るだけだ。


ホッとすると同時に、明日もまた学校だと思うと気分は重たかった。


理央が助けてくれたから下着写真は消されたけれど、いつでも理央が助けてくれるとは限らない。


昨日の事で理央は反感を買っているだろうから、明日からはあたしと一緒に理央までイジメのターゲットにされるかもしれなかった。


そう思うと申し訳ない気持ちになって、どんどん沈んできてしまう。


そんな時、ふと鞄に入れていた『自殺カタログ』の存在を思い出した。
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