自殺カタログ
「おいおい、冗談だろ?」


写真を見ていた晃紀が笑いながらそう言った。


「だってよく見てよ。この制服泥まみれだし、髪の長さとかアンミと一緒だよ?」


「それはそうかもしれないけど、だからってアンミの幽霊が出たなんて安直すぎるだろ」


晃紀がため息まじりにそう言った。


あたしは軽く舌打ちをしてやりたい気分になった。


せっかくいい流れだったのに、水を差されてしまった。


「でも、これってアンミが持ってたペンだよね?」


そう言ったのは理央だった。


理央は横から写真を覗き込み、女子生徒の胸ポケットにささっているペンを指さしてそう言った。
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