自殺カタログ
☆☆☆

それから数分後。


「お前ら俺を脅そうとしてんだろ!!」


という龍輝の怒鳴り声がクラスに轟いていた。


どうやら龍輝は怖いものが苦手だったようだ。


龍輝に怒鳴られた2人は身を縮めて震えている。


飼い主に怒られた小型犬みたいだ。


「そ、そんなことは――」


「こんな合成写真まで作りやがって!!」


「そ、それは本物だよ」


「アンミの幽霊なんているわけねぇだろ!!」


怒鳴っている龍輝の顔は青ざめている。


百花はその隣でただオロオロと3人を見ているだけだ。


ほんと、役立たずなんだから。


「龍輝、そんなに怒らなくてもいいじゃん」


仕方なくあたしは席を立ってそう言った。


龍輝がジロリとこちらを睨み付けて来る。


「2人はあの洋館に行ったんだよね? あの洋館の噂ではその場に行った人に強い怨念を抱いている霊が現れるって聞いたことがあるよ」


もちろん、これも嘘だ。


だけど登と涼太の顔は見る見るうちに青ざめていく。
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