自殺カタログ
☆☆☆

夜中の1時になってポストにハガキを入れると、すぐに自室に戻ってベッドにもぐりこんだ。


最初の頃はハガキの事が気になって眠りにつけなかったり、早起きをしてしまったりしていたけれど、最近ではそんな事もなくなった。


ハガキを入れてすぐ深い眠りについたあたしは、お母さんの声で目を覚ました。


朝のお味噌汁の香りがして食欲を刺激される。


制服に着替えて一階へ下りて、玄関からポストを確認した。


新聞はすでに取り込まれている。


リビングへ行くと新聞がテーブルに置かれていた。


それ以外のものは見当たらない。


今回も誰かがこっそり持ち去ってくれたようだ。


あたしはいつものように朝食を取って、家を出た。


日差しが眩しくて目を細める。


今日はとてもいい天気だ。


太陽に背中を押されるようにして、早足になるのがわかった。
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