自殺カタログ
とり殺される
教室に入ると、昨日までとは少しだけ雰囲気が違っていた。


登と涼太は自分たちの席に座り、龍輝は1人で雑誌を広げている。


百花はやる事もなく1人で机についている状況だった。


いつもは3人が龍輝を取り囲んでいるのに、やけに静かだ。


「あ、芽衣!」


あたしが教室に入ると同時に百花が走って来た。


1人でいる時間が耐え切れなかった様子だ。


「おはよう百花」


「ねぇ、芽衣、龍輝がまだ怒ってる」


挨拶もせずに百花がそう言って来た。


龍輝を見ると、まだ雑誌に視線を向けている。


が、さっきから同じページを開いていることに気が付いた。


雑誌を読んでいるのはカモフラージュだったようだ。


誰も近づけないようなオーラを醸し出している。


だから百花も近づく事ができずにいたようだ。


「仕方ないじゃん。そっとしておこうよ」


あたしはそう返事をして自分の席に鞄を置いた。


龍輝は相当怖い話が苦手だったようだ。


アンミの幽霊だなんて言われた事をかなり気にしている。


あたしはその様子を見てとても満足していた。
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