自殺カタログ
最期
登の最期の言葉は最高だった。


『俺だってこんな事したいわけじゃない』


それは登が何者かによって操られている事を意味していた。


そしてそれはクラスメートたちにとって紛れもなくアンミの亡霊だった。


登はすぐに救急搬送されたが、救急車が到着するころにはすでにこと切れていた。


クラスメートがその場で死んだことはショッキングで、登が救急車に運ばれると同時に早退していった生徒たちも多かった。


だけど、あたしはもちろんクラスに残っていた。


といっても、血まみれになった教室は使えず、あたしたち3組の生徒は使われていない教室に移動して来ていた。


「なんであんなことに……なんであんなことに……」


さっきから繰り返しそう呟いているのは涼太だった。
< 268 / 311 >

この作品をシェア

pagetop