自殺カタログ
涼太は真っ青な顔をしていて、時折立ち止まってブツブツと何かを呟いた。


相当参ってしまっている様子だ。


「あんな写真撮るからじゃん!」


百花が涼太へ向けてそう言った。


その言葉に涼太はビクンッと体を跳ねさせて百花を見た。


あんな写真とは間違いなくアンミの亡霊写真の事だ。


「そうだよ。あの写真、ちゃんと供養しなきゃダメだよ」


どこかから、そんな声も聞こえて来た。


「わかってるよ……」


涼太はそう言い、俯いた。


あの写真をいち早く供養したいのは涼太本人だろう。
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