自殺カタログ
イライラした様子でまた教室の中を歩き回りはじめた。


それを見た龍輝か舌打ちをする。


「目障りなんだよお前は」


ボソッとそう言い放った。


いつもの龍輝に比べれば随分と静かな言い方だったはずだ。


だけどそれがダメだった。


涼太がズンズンと大股で龍輝の前まで移動すると、龍輝を見おろしていた。


みんな、何も言えなかった。


涼太の表情は今にも相手を攻撃しだしそうな険しさがあった。


「そもそも、アンミが死んだのはお前のせいだろ」


涼太の言葉に龍輝がゆっくりと顔を上げた。


今までクラスカーストトップを続けていた龍輝に、そんな口のきき方をする生徒なんていなかった。


涼太が初めてだ。
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