自殺カタログ
☆☆☆

先生が帰った後、あたしはすぐに自分の部屋に戻っていた。


テーブルの上に『自殺カタログ』のハガキを並べる。


まだまだ枚数は沢山ある事を確認して、サイン欄だけ丁寧に切り取って行く。


あのクラスの余計な人間はまだいたようだ。


思えばあの担任がイジメを見て見ぬふりをしていたのが悪かったんだ。


あたしが下着の写真を撮られた時、理央が先生に伝えてくれたおかげで先生はすぐに動いてくれた。


だけど、それが理央じゃなかったら?


資産家の娘に言われなかったら、無視していたんじゃないか?


そんな考えが過った。


あんなに大々的にイジメられていたのに、気が付かないなんておかしい。


アンミなんて教室内で全裸にさせられていた。


クラスメートの誰かから話を聞いていても不思議じゃない。


先生はイジメを黙認していたんだ。


そうとわかると、我慢はできなかった。


「次はあいつだ」


あたしは切り取ったサイン欄を大切に鞄に入れて、そう呟いたのだった。
< 278 / 311 >

この作品をシェア

pagetop