自殺カタログ
あたしはクラスメートたちに混ざって教卓の前に立った。


ノートを置くために手を伸ばしながら、視線は手前に置かれている書類へ向かう。


書類のサイン欄に先生の名前が書かれている事を確認すると、グッと身を乗り出した。


丁度あたしのお腹で書類が隠れる形になる。


左手でノートを置き、右手でサッとサイン欄を剥がした。


そのままポケットにねじ込み、自分の席に戻る。


誰にも気が付かれていないようで、あたしはニヤリとほほ笑んだのだった。
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