自殺カタログ
☆☆☆

百花の自殺は近日中に行う。


アンミの亡霊説をより強めるため、同じようにペンを使った死に方をしてもらう。


家に帰るまでに理央と2人で決めたことだった。


「決行のタイミングは芽衣が決めればいいから」


理央にそう言われて、あたしは家に戻ってきていた。


百花のサインが入ったハガキを取り出して、『ペンで死ぬ』と書き加える。


あたしの手元には龍輝のサインと先生のサインもある。


最低でもあと2回は『自殺カタログ』を使う事になりそうだ。


次から次へと生徒たちが死んでいく2年3組は、他のクラスから『呪われた3組』と呼ばれるようになっていた。


3組にいるというだけで後ろ指を指されることも珍しくはない。


だけど大半が、3組の生徒を見ると怯えて逃げ出すというパターンだった。


触らぬ神にたたりなしというやつだ。


あたしは夜中の1時になるのを待って、ポストにハガキを入れたのだった。
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