自殺カタログ
「今朝、クラスの宮本さんが亡くなったって……」


深刻な表情でそう言うお母さんに、あたしはホッと息を吐き出した。


なんだ、百花の事か。


「嘘でしょ?」


あたしはおどろいた風に目を見開いた。


みんなより少し早い時間に実行されたけれど、百花の死はわかっていたことだ。


「本当みたいなのよ。今日は午前中授業になるらしいわ」


「そうなんだ」


それでも一応は学校へ行かないといけないのかと思い、舌打ちしたい気分になった。


さすがに、ずっと休ませているわけにはいかないようだ。


「あぁ、それとね。3組の生徒はしばらく体育館で授業を受ける事になるって」


「どういう事?」


「わからないけど……今は混乱した状態だから、一旦3組だけ離させるてことかしらね? 周囲に悪影響が出るとか、そう言う事だと思うけど。その対応はちょっと失礼よねぇ……」


お母さんは不安そうな表情でそう言ったのだった。
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