自殺カタログ
準備室の中はボールのゴムの匂いやマットのホコリ臭さが鼻をつく。


あたしは準備室の奥の窓を開けて換気をした。


「そんなに次から次に自殺させたら、学校側は今以上に警戒してあたしたち学校に来れなくなっちゃうかもしれないよ」


「別にいいじゃん。あたし達の目的はクラスカーストの上位者を排除する事でしょ?」


理央がそう言って来た。


確かにその通りだ。


あたしをイジメていた連中全員を自殺させることが目的だ。


残っているのは龍輝と先生。


理央からすれば、晃紀もその中の1人だ。


「そうだけど……今3組はカースト上位がいない状態なんだよ?」


「それがどうしたの?」


「つまりさ……あたしや理央がカーストの上位になるチャンスってことだよ」


あたしの言葉に理央は首を傾げた。


ピンと来ていない様子だ。


「誰かをイジメるってこと?」


「そうじゃないけど、クラスのまとめ役になれるってこと」


上位に君臨しておけば、クラスのあらゆる面で有利に立つ事ができる。
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