自殺カタログ
予言
クラスカーストのトップに立つためには、他のクラスメートと混ざっていては意味がなかった。


だけど、監視状態にある今の状況では大きなアクションを起こすことはできない。


だからあたしは小さな所から攻めていく事にした。


普段はあまり話さない、地味なグループに接近する。


そのグループとは特別仲がいいわけじゃないが、会話を合わせてあげる事で自然と仲間に入る事ができた。


「それ、なに？」


グループの子が読んでいた単行本を見て、あたしはそう声をかけた。


おさげ頭で、黒縁メガネをかけている絵にかいたような地味な子だ。


「ホラー小説だよ」


「あ、それあたしも読んだよ」


「おもしろいよねぇ」


そんな話で彼女たちは一気に盛り上がる。


彼女たちはみんな単行本を持ってきていて、休憩時間などではそれぞれの時間を楽しんでいる様子だった。


「じゃぁ、アンミの亡霊とかも信じてるの？」


そう聞くと、彼女たちは言葉を切って互いに目を見交わせた。
< 295 / 311 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop