自殺カタログ
「そうだけど……もういいんだよ、そんなこと」


「……そんなこと?」


「そうだよ? だってあたしの心は今とても満たされてるんだもん。3組のみんなは体育館に隔離されてとても不安定。

その心に寄り添ってデマを吹き込んで、見る見る内にトップになれた。あたしの隣にいる晃紀はとても優しい。それだけで十分だと思わない?」


あたしは早口でそう言っていた。


自分でも信じられないくらい、スラスラと流れるように言葉が出て来た。


「芽衣、少し話があるの。あたしの家に来て」


理央がそう言い、有無も言わせずあたしの前を歩き出したのだった。
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