自殺カタログ
今日は更なる仕打ちを受けるかもしれないと思うと、喉がカラカラに乾いていく。


「ダメだよアンミ。学校内でそれやったら、また理央が先生にチクるんじゃん？」


百花がそう言ってアンミを見た。


「あ、そっかぁ。芽衣には理央っていう王子様がいたんだっけね？」


厭味ったらしくそう言うアンミ。


あたしは悔しそうな表情を浮かべて下唇を噛んでみせた。


しかし、あたしは内心ホッと胸をなで下ろした。


学校内にいれば昨日のようなことはもう起こらないかもしれないという、安堵感があった。


同時に、そんな事で安堵している自分に嫌気がさした。


やっぱり昨日屋上で飛び降りてしまえばよかったんだ。


あの変な男に呼び止められさえしなければ、あたしはもうこの世にはいなかったのに。


そう思い、下唇を噛んだ。


いや、今からでも遅くないかもしれない。


今日だってこれからどんな風にイジメられるかわからない。


だけど、イジメられるということだけは確実にわかっていることなのだ。


それなら今から死にに行けばいい。
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