自殺カタログ
☆☆☆

うん、食堂に売っているおにぎりも悪くない。


おにぎり2つとペットボトルのお茶を買って来たあたしは教室に戻り、おにぎりをほおばっていた。


今まで節約のためと思って毎日お弁当を持って来ていたから、食堂で食べ物を買ったのはこれが初めてだった。


節約、やめようかなぁ。


1月20万円の生活費。


だけどあの女の口座には一億円という金額が入っている。


そして女は今日も大金を稼いでいる。


それを知ってしまった今、あの家の中で自分1人が一生懸命家事や節約をしていることがバカらしく感じられていた。


20万円の生活費をすべてあたしの小遣いに使ってしまったら、女はなにか言うだろうか?


それともなにも言わず、生活費としての20万を上乗せしてくるだろうか?


自分の夢を追いかける事以外関してはすべてが面倒くさいという態度の女だ。


あたしやお父さんと喧嘩をすることさえ面倒くさいと思っているかもしれない。


だからこそ、お父さんが勝手に金を引き出せているのかもしれない。


やり過ぎなければ怒られない。


お父さんはその境界線をしっかりと把握して、遊び惚けているのだ。
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