自殺カタログ
「え? どれだろうなぁ」


あたしはカタログをめくる。


入水自殺?


焼死自殺?


もっと苦しむものってないのかな?


「電車にはねられるのもありだよね。家族に迷惑かけてやるの」


理央がそう言ったので、昨日の男の説明を思い出した。


あの男は一体どこへ消えたのだろうか。


ふとそう考える。


あの男はあたしの救世主だ。


こんな素晴らしいカタログを持って来てくれたんだから。
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