自殺カタログ
「死ねよ！」


アンミが怒鳴り、あたしの腹部を思いきり踏みつけてきた。


「グエッ」


とカエルのような声が自分の口から洩れて、透明な胃液を吐き出した。


「汚ねぇな！　吐いてんじゃねぇよ！」


更に体中を蹴られる。


アンミはなにか嫌な事でもあったんじゃないだろうかと思う。


だからあたしに八つ当たりをしているのだ。


あたしは黙ってそれを受け入れる。


「晃紀、お前もやれよ」


不意にアンミにそう言われた晃紀がとまどった表情を浮かべている。


「いや、俺はいいよ」


左右に首をふる晃紀。


「なんで？　もしかして怖いわけ？」


アンミがそう言ってニヤリと笑う。


「怖いワケないだろ。だけど、参加する理由もない」


そう言ってズボンのポケットから煙草を取り出す晃紀。


「俺もくれ」


龍輝がそう言って手を出す。
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