自殺カタログ
「で、本題なんだけどさ」


あたしはそう言い、テーブルの上に『自殺カタログ』を置いた。


「うん」


理央がお菓子を床に移動させてカタログへ視線を向ける。


「これにどうやってサインをさせるかだよね」


「そうだけど、本当にカタログの効果が出たのかどうか、もう一度しっかり確認してみるtっていうのはどう?」


理央の言葉にあたしは顔を上げた。


「でも、あの女は本当に自殺したよ?」


「そうだけど、キャバクラの世界にも色々あるでしょ? 誰にも気づかれない所で悩んでいたかもしれないじゃん」


理央はあの女の自殺が単なる自殺かもしれないと懸念しているのだ。


あの女が自ら自殺なんてありえない。


そう思っていたけれど、あたしはあの女の事をほとんど知らなかった。


家にいても一言二言交わすだけで、一緒に食事をすることもあまりなかった。


そんな状態で絶対にカタログの効果だと言い切る事はできなかった。


「もう一度確認するって、どうやって?」


そう聞いてから正確には『誰を殺すの?』と聞くべきだろうかとふと思った。
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