自殺カタログ
そう言って理央は少年にハガキとペンを渡した。
あっ……。
という声は声にはならなかった。
その前に少年がハガキに名前を書き始めたのだ。
前田陽太。
たどたどしい文字がハガキの上に浮かんでくる。
前田陽太君は自分の名前を書いたハガキを理央に渡した。
「お、君は外で遊ぶことが好きなんだね?」
理央がそう言うと、陽太君は目を見開いて理央を見た。
「どうしてわかるの!?」
「文字を見ればわかるんだよ? 一番好きな遊びは泥んこ遊び?」
「そうだよ! 今日も泥んこになって遊んだんだ!」
少年は自分の好きな遊びまで言い当てた理央に目を輝かせ始める。
理央が言っていることは少年を見れば誰でも判断できることだった。
だけど少年はまだそれに気がつく事ができる年齢ではない。
「君は○○小学校に通っているのかな?」
「うん! すごいね、しっぴつ診断って、なんでもわかるんだね!」
理央が言ったのはここから一番近い小学校の名前だ。
夕方になるまで遊んで帰るということは近所の子で、近所ということはその小学校に通っているということになる。
「おっと、もうこんな時間だね。また今度執筆診断をしてあげるから、今日はもう帰った方がいいよ」
理央に言われて、少年は素直に頷いた。
理央の事をすっかり信じ込んでしまっているようだ。
あっ……。
という声は声にはならなかった。
その前に少年がハガキに名前を書き始めたのだ。
前田陽太。
たどたどしい文字がハガキの上に浮かんでくる。
前田陽太君は自分の名前を書いたハガキを理央に渡した。
「お、君は外で遊ぶことが好きなんだね?」
理央がそう言うと、陽太君は目を見開いて理央を見た。
「どうしてわかるの!?」
「文字を見ればわかるんだよ? 一番好きな遊びは泥んこ遊び?」
「そうだよ! 今日も泥んこになって遊んだんだ!」
少年は自分の好きな遊びまで言い当てた理央に目を輝かせ始める。
理央が言っていることは少年を見れば誰でも判断できることだった。
だけど少年はまだそれに気がつく事ができる年齢ではない。
「君は○○小学校に通っているのかな?」
「うん! すごいね、しっぴつ診断って、なんでもわかるんだね!」
理央が言ったのはここから一番近い小学校の名前だ。
夕方になるまで遊んで帰るということは近所の子で、近所ということはその小学校に通っているということになる。
「おっと、もうこんな時間だね。また今度執筆診断をしてあげるから、今日はもう帰った方がいいよ」
理央に言われて、少年は素直に頷いた。
理央の事をすっかり信じ込んでしまっているようだ。