自殺カタログ
そんな思いが、あたしの体から更に力を抜かせていったのだ。


アンミが完全にあたしのブラウスのボタンを外した。


白い下着が丸見えになり、恥ずかしいけれど隠す事もできない状態だ。


心臓はドクドクと高鳴り、ギュッと目を閉じて暴力を待つ。


早く追われ。


早くチャイムが鳴れ。


そう願えば願うほど、その時間が遠のいていくように感じられた。


「芽衣、こっち向いて」


たのしげなアンミの声が聞こえてきて目を開けた。


その瞬間、カシャッと音が聞こえてきて周囲が明るく光った。


一瞬なにが起こっているのか理解できなかった。


続けざまに音が鳴り、周囲が光る。


徐々に血の気がひけていくのがわかった。


両足で立っていることもやっとだ。


全身がガクガクと震えている。


アンミと月乃の手にはそれぞれのスマホが握られている。


「もういいよ、百花」


アンミの声を合図に拘束されていた手が自由になり、その途端あたしは崩れるようにして座り込んでいた。


授業開始のチャイムがどこか遠くから聞こえて来る。
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