自殺カタログ
死神
理央を2人で教室へ戻ると、アンミたちの視線を感じた。


ニヤニヤとした嫌らしい笑顔。


あたしは気が付かないふりをして自分の席へと向かった。


机を見て、小さく息を吐き出す。


『死神』


大きく太いマジックでそう書かれている。


あたしはゆっくりとアンミたちへ視線を向けた。


「あんた、今日起きた事故現場にいたんでしょ? あの小学生、死んだらしいよぉ?」


アンミがそう言いながら近づいてくる。


あたしはその場で固まって動けない。


「あんたの母親も死んだし、あんたもしかして死神なんじゃない?」


そういう事か。


あたしは机に書かれている落書きに納得した。


死神。


その言葉は今のあたしにピッタリだった。


確かに、あの女を殺したのも少年を殺したのも、あたしだもん。
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