雪の日
「何してるのよ!」


病院だということも忘れて、大声で叫ぶ。


訳が分からないという顔であたしをみる彼。


なんであたしに怒られなければならないのか、という表情だった。


「死んで、雛子のところ行こうとしたの?」


「……雛子が死んだのは、俺のせいだ。死んで、償うしかないんだ」


うつむいて、こぶしを握り締める彼。


そんな彼に、あたしはいった。


「うそつき」

< 11 / 18 >

この作品をシェア

pagetop